美しい人は、手も美しい……以前からそうした法則があるのを知っていただろうか。明快なデータはなくても、誰もがなんとなく知っている。美しい手の持ち主は、みんな美しいこと。
なぜならば手は、その人自身。全身のプロポーションや肌の美しさ、身のこなしの優雅さまでが、「手」という小さな面積の中に、そっくり凝縮されるから。言い換えれば、その人のプロフィールそのものだからなのである。
ひょっとすると神様が人間を作った時、一人ひとりの概要のようなものを「手」というパーツにそっくり込めたと言うことなのかもしれない。そのぐらい、「手」はもう一つの自分なのだ。
そうでなければ、いわゆる「手相」によって、一人ひとりの運命が占えたりはしないはず。そもそもが「指紋」だって、世界にたった1つのあなたの証明書。そういうものが、手に全て集結しているなんて、不思議すぎる。まさに手はあなたのスペックであり、アウトラインであり、プロフィールそのものなのである。
でもその一方で、手は100%生まれつきのものであり続けるわけではない。「指紋」は生涯変えられないけれど、「手相」は生き方によって変わると言われる。とりわけ“手の美しさ”は、その人の思い次第でそっくり育てていけるものと考えるべき。
「手は最も早く歳をとる」とも言われる。それも手は、体の中で1番忙しく、そして1日中酷使されているから。加えて、手の甲には皮脂分泌がほとんどない。美容医療による若返りについても、最も難易度の高いパーツだからに他ならない。さらに言えば1番人目を引く部分だから。
でもその代わり、手はいつも自分の視界の中にある。常にチェックができる。私たちがネイルを塗るのも、半分は自分自身に見せるため。1日何度も自分の手を眺めて、その美しさに惚れ惚れするため。そんなふうに、女性の手には、その人がもつ美意識がそっくり注ぎ込まれるのだ。
つまり、美意識が高い人ほど、自分の手の美しさにこだわるはず。1日何度も、自分の手の美しさに惚れ惚れするような、そういう手で生きていきたいからこそ、充分なお手入れはもちろん、文字通り一本一本の指先にまで神経を張り巡らせて、美しい所作を心がけるのだろう。だから、手はどんどん美しくなっていく。
その結果、美しい人は、手も美しい。美しい手の持ち主ほど、美しいという揺るがぬ法則が生まれたのである。だから始めて欲しい、もっと美しい手を作る本気のエイジングケアと、そしてもっと美しく見える手の所作と心がけ……。